不動産会社の得意分野は、取扱う物件の種別によって大きく異なります。つまり「どの会社でも万能」というわけではなく、戸建てに強い会社、マンション専門の会社、あるいは土地売買に精通している会社など、それぞれの強みに応じた選定が必要です。自身が売却する物件のタイプに合った業者を選ぶことが、スムーズな売却活動と高値成約に繋がります。
まずは、物件種別ごとに強みを持つ業者の傾向を、以下の表に整理してみましょう。
物件種別
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強い傾向のある不動産会社
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理由や特徴
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戸建て
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地域密着型の中小企業、戸建て専門業者
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地元事情に詳しく、買主ニーズに即応
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マンション
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大手不動産会社、分譲経験豊富な業者
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購入希望者データベースが豊富
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土地
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土地活用提案が得意な企業、地権者向け業者
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建築会社との提携や土地活用ノウハウあり
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それぞれの物件ごとに、以下のような選定基準を持つことが大切です。
戸建て売却の場合
- 地域内の過去の販売実績が豊富か
- リフォームや建物解体の相談にも乗れるか
- 買主のファミリー層や高齢者向けアプローチができるか
戸建ては築年数が古くなっていることも多く、建物の状態やリフォーム要否の説明力が求められます。地域の特性に精通した業者であれば、周辺の買主ニーズにも的確に対応でき、販売戦略の打ち出し方に差が出ます。
マンション売却の場合
- 同一マンション内や近隣での成約実績があるか
- ファミリー・単身者向けの訴求が得意か
- 管理費や修繕積立金などの説明が的確か
マンションの場合、間取りや階数、管理状況といった要素が評価に大きく影響します。実績豊富な業者であれば、物件の「見せ方」や広告の打ち出し方にノウハウがあり、集客力にも差が出やすくなります。
土地売却の場合
- 建築会社・デベロッパーとの連携があるか
- 法令上の制限(建ぺい率・用途地域など)に強いか
- 活用提案や分筆・測量などの経験が豊富か
土地売却は建物と異なり、「活用イメージの提案力」が求められます。建築会社や投資家とのパイプがある業者は、買主候補が既にいることも多く、成約までのスピードや交渉力が期待できます。
物件種別ごとの得意・不得意を見極めるには、以下のようなポイントを確認するのがおすすめです。
見極めチェックリスト
- 過去に取り扱った物件のタイプや件数は?
- 自社で売却事例を持っているか(事例の提示を求める)
- 専門分野に関するノウハウが説明できているか
- 広告手段が物件種別に適しているか(紙媒体・ネット等)
まとめると、「物件の種類×会社の強み」の組み合わせを把握することで、より効果的な売却戦略が立てられます。単に知名度や価格だけでなく、自分の物件を最も高く、早く、安心して売れる会社を見つけることが、不動産売却成功の第一歩となります。