不動産の売却がなかなか進まない場合、原因は1つではなく複数の要素が重なっていることが少なくありません。特に中古マンションや築年数が経過した物件では、売主が気づかない要因が成約を妨げていることもあります。ここでは、実際の取引現場で頻繁に見られる「売れない原因トップ5」を解説します。
売却がうまくいかない主な原因
原因
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内容の解説
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価格設定が相場と乖離している
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査定価格や周辺物件の成約価格と比べて高すぎる設定になっているケース。
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重要事項の説明不足(告知義務違反)
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瑕疵や心理的瑕疵を隠している場合、内覧で気づかれて不信感を与える。
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立地や築年数など物理的要因
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駅からの距離や築年数が古いことなどがネックとなる。
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不動産会社の営業力不足
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集客活動やアピールが不十分な場合、買主候補が集まらない。
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室内の印象が悪い
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内覧時の整理整頓不足や匂い・照明などが悪印象を与えている。
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上記のような原因を把握するには、定期的に反響状況や内覧者の反応を振り返ることが重要です。
特に「価格設定のミス」は全体の失敗要因の中でもトップに挙げられます。AIによる一括査定や、不動産会社による無料訪問査定を組み合わせて「現在の売却価格が適正かどうか」を再確認することをおすすめします。
また、「物件の状態に対する誤認」もよくある落とし穴です。告知事項の不備があると、売却後にトラブルに発展しやすく、これが購入希望者にネガティブな印象を与えるため、修繕履歴や共有部分の状況、周辺環境の変化などを正確に開示する姿勢が求められます。
一方で、営業担当者の力量不足や販売戦略の乏しさも見落とされがちです。媒介契約を締結していても、ポータルサイト掲載内容の質や写真のクオリティ、内覧調整の柔軟性などの差が、売却成功率に大きく関わってきます。
さらに、内覧時の第一印象も大切です。特に中古マンションでは「内装の状態」「匂い」「光の入り方」「温度環境」など、五感に与える印象が強く影響するため、対策なしでは購買意欲を削ぐ結果となります。
売れない原因を自己判断で断定せず、第三者(不動産会社や専門家)の意見を複数取り入れることで、状況を客観的に把握することができるため、複数社への依頼や比較検討が効果的です。